あいまいな中央分離帯

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きのこたけのこ事件(平18.9.11)
以下は「きのこの山」「たけのこの里」両製菓でどちらが優れているのか争ったものである。


きのこの山派【団藤・大塚】

「きのこの山」のほうが大容量であり、お買い得といえる。
内容量が「きのこの山」1箱あたり89gに対し「たけのこの里」は84gである。
この差5gは一円硬貨で5枚分であり、百円硬貨よりも重い。

たけのこの里派からの反論
誤差の範囲であり、比較するのは重箱の隅をつつくようなものである。
きのこの山は男性器を連想させる卑猥な形状である。
これを幼児が口に入れるのは社会道徳上ゆるされるものではない。


たけのこの里派【芦部・大谷・田宮】

食品で一番大事になのは味である。
「たけのこの里」はビスケット部分とチョコレートが渾然一体であり、きのこの山は大味である。

きのこの山派からの反論
味覚には人それぞれ個性があり、個人の裁量によるものが大きい。
上記の理由から味を争うのは公平さに欠ける。
たけのこの里こそ座薬を連想させるので、
これを口に入れることで誤った家庭医学を植え付ける恐れがある。


ポッキー派【香川】

似通った製菓の優劣を決めるのは困難又は不可能であるから、類推解釈を認めるべきである。
即ち、茸と筍でどちらが優れているのか考えたところ、結論としてポッキーが優れていると解釈するものである。


【大阪地判平18.9.18】 ※検察側は即時控訴

判決主文:優れた製菓はチョコボールと認定し、本件提訴を棄却する。
判決理由:チョコとピーナッツこそ至高であり、ビスケットは著しく正義に反する。

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